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子ども医療費助成、全国の9割が18歳まで — 残る1割はどこか
公開: 2026年9月4日
子どもの医療費を自治体が肩代わりする「子ども医療費助成」は、市区町村ごとに対象年齢・所得制限・自己負担が決まっています。こども家庭庁が毎年まとめている調査には全国1,741市区町村の個票があり、当サイトはこれを1件ずつ収録しています。この記事では令和7年度調査(2025年4月1日時点)を集計し、全国の姿を数字で描きます。
この調査に載っているのは「対象年齢」「所得制限の有無」「一部自己負担の有無」の3点だけで、自己負担の金額や現物給付・償還払いの別は含まれません。金額や条件の実例は別の記事で扱っています。
対象年齢は9割が「18歳年度末」
通院の助成が18歳年度末(高校卒業相当)までの自治体は1,575で、全国の90.5%です。入院はさらに多く1,599(91.8%)。かつて「中学卒業まで」が標準だった時期を知っている方には意外かもしれませんが、対象年齢は全国でほぼ横並びになりました。
| 通院の対象年齢 | 自治体数 | 割合 |
|---|---|---|
| 18歳年度末 | 1,575 | 90.5% |
| 15歳年度末(中学卒業) | 145 | 8.3% |
| 20歳・22歳年度末 | 10 | 0.6% |
| 就学前 | 9 | 0.5% |
| 12歳年度末(小学卒業) | 1 | 0.1% |
| 調査に記載なし | 1 | 0.1% |
18歳を超える自治体も10あります。北海道南富良野町・千葉県神崎町・多古町・京都府京丹後市・愛媛県上島町・高知県田野町が通院・入院とも22歳年度末、茨城県境町・千葉県芝山町・福井県大野市・奈良県山添村が20歳年度末です。入院だけ24歳年度末まで広げている自治体も愛知県に5つ(春日井市・豊田市・東海市・みよし市・東郷町)と和歌山県紀の川市にあり、通院と入院で対象年齢が違う自治体は全国で46(2.6%)でした。
就学前まででとどまるのは北海道の8町(増毛町・枝幸町・遠軽町・厚真町・平取町・浦河町・標茶町・中標津町)と鹿児島県徳之島町、小学校卒業までは北海道千歳市の1市です。奈良県吉野町は調査票に記載がありませんでした。
15歳までにとどまる145自治体はどこか
「中学卒業まで」の145自治体は特定の県に固まっています。福岡県は60市町村のうち29、沖縄県は41のうち17、宮崎県は26のうち15、三重県は29のうち13が15歳年度末です。北海道も20町村ありますが、母数が179と大きいため県内の割合は1割ほどです。
| 都道府県 | 通院15歳年度末 | 県内の市区町村数 |
|---|---|---|
| 福岡県 | 29 | 60 |
| 北海道 | 20 | 179 |
| 沖縄県 | 17 | 41 |
| 宮崎県 | 15 | 26 |
| 三重県 | 13 | 29 |
| 兵庫県 | 10 | 41 |
| 京都府 | 7 | 26 |
| 愛知県 | 6 | 54 |
| 鹿児島県 | 5 | 43 |
| 広島県 | 4 | 23 |
逆に、県内の全市区町村が通院18歳年度末までという都道府県は21あります(青森・岩手・秋田・山形・福島・栃木・群馬・埼玉・東京・新潟・山梨・長野・静岡・滋賀・大阪・鳥取・島根・徳島・香川・長崎・熊本)。県の補助制度が18歳まで整っている地域では、市町村の側で差をつける余地がほとんど無くなっているためです。
人口の多い自治体では、調査時点で横浜市・川崎市・京都市・広島市が通院15歳年度末でした。このうち横浜市・川崎市・広島市は調査後に拡大を公表・実施しており、詳しくは後述します(京都市は当サイトが2026年夏に案内ページを読み込んだ時点でも中学3年生まででした)。
所得制限のある自治体は49(2.8%)
親の所得によって助成を受けられなくなる「所得制限」を通院に設けている自治体は49しかありません。しかもその半分以上の26が北海道で、兵庫県9(洲本市・相生市・豊岡市・赤穂市・丹波篠山市・南あわじ市・淡路市・上郡町・香美町)、東京都4(東村山市・狛江市・東久留米市・羽村市)、三重県4、広島県2、岩手・神奈川・京都・山口が各1と続きます。38の都道府県では所得制限のある市区町村が1つもありません。
所得制限は「あり」でも上限額は調査に載っていません。該当する自治体にお住まいの場合は、上限が世帯年収か所得割額か、扶養人数で変わるかを自治体の案内で確認する必要があります。
自己負担のある自治体は421(24.2%) — 差が残る最大の項目
対象年齢と所得制限が横並びになった今、自治体間で最も差が残っているのが窓口での一部自己負担の有無です。通院で自己負担を設けている自治体は421、全国の約4分の1にのぼります。
こちらも県単位で傾向がはっきり分かれます。大阪府は43市町村のうち42、広島県は23のうち22、長崎県は21のうち20、佐賀県は20のうち16に自己負担があります。福岡県41(60市町村中)、千葉県37(54)、長野県35(77)、茨城県29(44)、奈良県22(39)、新潟県19(30)、京都府18(26)、東京都18(62)も多い方です。
一方、県内のどの市区町村にも自己負担が無い都道府県が16あります(青森・山形・福島・栃木・埼玉・富山・山梨・岐阜・三重・和歌山・鳥取・香川・愛媛・高知・鹿児島・沖縄)。埼玉県や富山県のように、県の制度として窓口負担ゼロが行き渡っている地域です。
自己負担の実額は調査にありませんが、当サイトが自治体の案内ページを読み込んだ範囲では「通院1回200〜500円、ただし同じ医療機関で月◯回目以降は無料」「1医療機関につき月500円まで」のように、ほぼ例外なく上限がセットになっています。額の大小より上限の仕組みの方が家計への影響を左右するため、別の記事で42自治体の実例を整理しています。
「18歳まで・所得制限なし・自己負担なし」が揃う自治体は7割
通院の助成が18歳年度末以上(20歳・22歳年度末の10自治体を含む)まであり、所得制限も自己負担も無い自治体は1,217(69.9%)です。全国の7割の街では、高校を卒業するまで子どもの通院に窓口負担が生じません。残る3割の大半は自己負担の有無で分かれており、対象年齢や所得制限で外れる自治体は1割弱です。
つまり、引っ越し先を選ぶときに医療費助成で自治体を比べても、対象年齢はほぼ同じで、違いが出るのは自己負担の有無くらいです。それよりも、いま住んでいる街の制度が「どの範囲の医療機関で医療証を使えるか」「自己負担の上限はいくらか」を正確に知っておく方が、実際の家計には効きます。
調査のラグに注意 — 4月1日時点の状況が12月に公表される
この調査は毎年4月1日時点の制度を集計し、同じ年の12月下旬に公表されます。4月以降に制度を拡大した自治体は、翌年の調査まで古い値のまま載り続けます。
実際、令和7年度調査で通院15歳年度末だった横浜市と川崎市は、当サイトが2026年夏に自治体の案内ページを読み込んだ時点でどちらも18歳年度末まで拡大していました(川崎市は令和8年9月から高校生年代まで拡大し、小学4年生以上の通院500円も廃止)。広島市も令和8年12月診療分までは中学生まで、令和9年1月から高校生年代までと公表しています。
当サイトの自治体ページでは、国の調査の値に加えて、自治体の公式サイトから読み取った現行制度を「調査基準日」「閲覧日」つきで併記しています(収録済みの自治体のみ)。お住まいの自治体の値は都道府県の一覧から辿れます。国の調査の値だけの自治体は、必ず調査基準日を見たうえで、自治体の公式サイトで最新の制度をご確認ください。
この記事の出典
- こども家庭庁「こどもに係る医療費の助成についての調査」(令和7年度)(2025年4月1日時点・全1,741市区町村の個票を当サイトが集計)
記事中の数値は執筆時点の集計です。制度は年度途中でも改定されるため、実際の適用は必ず各自治体の公式情報でご確認ください(免責事項)。