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保育料、東京は無償・政令市は最高月9万円 — 42自治体の幅と決まり方

公開: 2026年9月4日

認可保育園の保育料は、自治体が世帯の所得に応じた階層表で決めています。当サイトは主要42自治体の階層表を1段ずつ収録しており、この記事ではそれを「0〜2歳児クラス・保育標準時間・第1子・認可保育所等」という同じ軸で並べて、自治体ごとの幅がどれほどあるかを見ます。数値は2026年7〜8月に各自治体の案内ページから取得した時点のものです。

前提: 3歳以上は全国で無償、差があるのは0〜2歳児

2019年10月の「幼児教育・保育の無償化」で、3歳児クラス以上の保育料は全国どこでも無償になりました(給食費や延長保育料は別)。0〜2歳児クラスも住民税非課税世帯は無償です。したがって自治体で差が出るのは、課税世帯の0〜2歳児クラスの保育料に限られます。

この保育料は国が階層ごとの上限額を定め(最高階層で月104,000円)、その範囲内で各自治体が独自の階層表を作ります。ほとんどの自治体は国の上限よりかなり低く設定しており、どれだけ低くするかが自治体の裁量です。

東京都内の14自治体は第1子から無償

収録42自治体のうち東京都内の14自治体(11区3市)は、令和7年9月から第1子を含めて基本保育料が無償です。東京都が第1子の保育料無償化を打ち出し、都内の区市町村がそれに合わせた形で、たとえば足立区の案内には「令和7年8月までは5,100円から75,500円の範囲内でご負担いただきましたが、令和7年9月から『無料』となりました」とあります。

港区江東区大田区世田谷区杉並区北区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区八王子市武蔵野市町田市の各ページでは、無償の根拠となる案内の原文と、有償のまま残っている延長保育料を確認できます。

無償なのは「基本保育料」で、延長保育料・教材費・行事費などは各区市で引き続き徴収されます。世田谷区や港区のように延長保育料の階層表が残っている自治体もあり、当サイトは保育料と延長保育料を混ぜずに別々に表示しています。

東京以外の28自治体: 最高額は月55,700円〜94,400円

残る28自治体では、最も所得の高い階層の月額が岡山市の55,700円から京都市の94,400円まで、約1.7倍の開きがあります。どの自治体も最低階層(非課税世帯)は0円なので、幅の広さは「高所得世帯からどれだけ取るか」の設計の違いです。

自治体最高階層の月額階層数第2子表の年度
京都市94,400円22無償令和8年度
福岡市83,200円15無償令和8年度
川崎市82,800円27半額令和7年9月〜令和8年8月
つくば市78,000円17半額令和8年度
横浜市77,500円36条件つき軽減令和8年度
札幌市75,900円12無償令和8年度
浜松市73,600円17半額令和8年度
さいたま市72,800円11条件つき軽減令和8年度
柏市71,300円27半額令和8年度
千葉市70,900円17半額令和7年度
大阪市70,600円23無償令和8年度
仙台市70,000円18条件つき軽減令和8年度
市川市70,000円26無償令和7年度
流山市70,000円13条件つき軽減令和8年度
藤沢市69,500円21半額令和8年度
川口市69,000円14半額令和8年度
堺市67,000円13無償令和8年度
神戸市66,000円11条件つき軽減令和8年度
松戸市64,700円27半額令和7年度
名古屋市64,000円18条件つき軽減令和7年度
北九州市63,300円16無償令和8年度
広島市62,400円19半額令和8年度
相模原市61,700円27半額令和7年度
船橋市60,000円19半額令和6年度
熊本市58,000円16条件つき軽減令和8年度
新潟市57,200円16条件つき軽減令和8年度
静岡市57,200円19無償令和8年度
岡山市55,700円17半額令和8年度

月額は0〜2歳児クラス・保育標準時間・第1子・認可保育所等の最高階層の額です。川崎市は市民税の年度切替に合わせて「令和7年9月〜令和8年8月分」の表、船橋市は取得時点で案内ページが掲示していた令和6年度の表で、年度の揃っていない比較であることにご注意ください。

大阪市と市川市は令和8年9月から第1子を含めて保育料を無償化すると案内しています(表の額は取得時点で掲示されていた令和8年4〜8月分・令和7年度の表)。さいたま市も令和8年9月から第2子を原則半額に改めると案内しており、上の表の「条件つき軽減」は8月までの扱いです。当サイトの自治体ページは次回の年度更新で差し替えますが、それまでは案内の原文を併記しています。

最高額が高いのは京都市・福岡市・川崎市・つくば市・横浜市で、いずれも7万円台後半以上。低いのは岡山市・静岡市・新潟市・熊本市で5万円台です。ただし最高額はその自治体の一番上の階層の話で、多くの世帯が実際に払う額とは別です。同じ年収でも階層の切り方が違えば額は変わるため、当サイトの比較表は代表額ではなく最小〜最大の幅だけを示しています。

階層数は11〜36 — 同じ年収でも同じ階層にならない

階層の数はさいたま市・神戸市の11から横浜市の36までばらつきます。階層が細かいほど所得に応じて額がなめらかに変わり、粗いほど階層の境目で額が跳ねます。たとえば横浜市は36階層で1段あたりの差が小さい一方、さいたま市は11階層なので、市民税所得割額が数千円違うだけで月額が1万円以上変わる境目があります。

このため「年収◯万円なら保育料いくら」という全国共通の早見表は作れません。自分の階層を正しく引く手順は別の記事で説明しています。

第2子の扱いは「無償」「半額」「条件つき」の3通り

国の基準では、きょうだいが同時に保育園等を利用している場合に第2子は半額、第3子以降は無償です(年収360万円未満相当の世帯は同時利用の条件が外れます)。これを自治体がどこまで広げているかで3通りに分かれます。

  • 第2子から無償: 京都市・福岡市・札幌市・大阪市・市川市・堺市・北九州市・静岡市。京都市は「所得や同時入所等の要件を問わず」第2子以降を無償としています
  • 第2子は半額: 川崎市・つくば市・浜松市・柏市・千葉市・藤沢市・川口市・松戸市・広島市・相模原市・船橋市・岡山市。国の基準に近い形です
  • 条件つきの軽減: 横浜市・さいたま市・仙台市・流山市・神戸市・名古屋市・熊本市・新潟市。所得階層や上の子の年齢によって無償・半額・軽減なしが分岐します。流山市は「所得割合算額が77,101円未満なら半額(上限9,000円)」「小学3年生修了前の子が複数いれば第3子以降無料」のように条件が重なります

「第2子無償」と書かれていても、「第2子」の数え方(上の子が小学生になっても数えるか)が自治体で違います。横浜市は「きょうだい区分」を別の案内で定めており、当サイトの自治体ページには条件の原文をそのまま載せています。要約せずに原文を出しているのは、条件を1語に潰すと必ずどこかの家庭に当てはまらなくなるためです。

自分の額を知るには

まず収録42自治体の一覧から自分の街のページを開き、「保育料」の節で階層表を見てください。階層の定義(市民税所得割額の範囲)・保育標準時間と短時間・第2子の列を分けて載せています。収録していない自治体の場合は、自治体サイトで「利用者負担額」「保育料 階層」を検索すると同じ形式の表が見つかります。

表を読むときは、年度の表記にご注意ください。武蔵野市のように、案内ページには無償化が書かれているのに添付PDFが無償化前の古い階層表のまま、という例が実在します。当サイトは本文中の年度表記を根拠として記録し、添付ファイル名だけで年度を判断しないようにしています。

この記事の出典

記事中の数値は執筆時点の集計です。制度は年度途中でも改定されるため、実際の適用は必ず各自治体の公式情報でご確認ください(免責事項)。

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